交差点

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俺は大学生になったらバイクの免許を取り、うしろに彼女を乗せて颯爽と走りたいと思った。で、取ったわけ。バイクかっこいいんだぜ?彼女はいないけど。大学までこのバイクで風を切って行くんだ。なのにさ・・・

「おーい!」「おーい!」「おーい!ってば!!」

道路の向こう側に親父、お袋、大学のダチが見えた。だが、だれひとり気が付かない。何だよ!シカトかよ!


頭が痛い、痛い、何かにふっ飛ばされたぐらい頭が痛む。
ジーンズが大きく破れ、シャツはボタンがはまらないほどぐちゃぐちゃだ。乗っていたはずのバイクもヘルメットも見当たらない。俺のかばんはどこだ?それに靴が片方ない。一気に不安が俺を襲った。はっきり見えるのは、みんなが置いていった花束だけ。

『ところで俺、いつからここに立っていたっけ?』

さよならの風に舞いながら俺の足元に落ちた新聞には「令和」と見たこともない元号が書かれていた。
その他
公開:20/06/09 14:04
更新:20/06/09 14:05

Yukino.

2020年6月1日より執筆活動開始(これまでオリジナル小説、二次創作等の執筆歴なし)

ストーリーが映像化して突如、脳内を流れ始めるタイプです。みなさまの応援、コメントが励みとなります。作品をお読みいただき、心より感謝申し上げます。

twitter @hikaritokage14


Yukino.

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