女王蜂

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スクリューに何かが絡まり島に漂着してから数時間が過ぎた。
原住民の存在に気がついたが、下手に助けを求めても安全が保証できない。
身を潜めながら集落と思しき場所に辿り着いた。
できれば離れたいところだったが、見失う方が怖かった。
観察できる場所から人数や武器は何かを観察した。
不思議な事に気がついた。男しかいないのだ。
ざっと20人程いるのだが女性の姿が無い。
子供の姿もあった。一概に言い切れないがやはり男の子のようだ。
住居となる簡素な作りの家がいくつかあるが壁は無く丸見えである。人影は見えない。
やはり女性がいないのだ。どういう事だろう。
男性でも子供が産める?実は男性に見えて女性?
馬鹿げた考え一巡させ、やはりこれしかなかった。
きっと女性はいた。しかし一人だけ。
「…女王蜂」
体中に戦慄が走った。スクリューに何が絡まったのだろう。

既に取り囲まれている。景色が滲む。

私が…女王…
ホラー
公開:20/06/10 01:17
更新:20/07/07 00:11

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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