278. 月を吸う(続き)
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そう言うと少年は、先程よりもっと強い力でストローを吸い始めた。
「えっ、そんなに力を込めると月が壊れちゃうよ!」
突然のことに仰天したぼくは、少年を制止しようとした。
そんなぼくの手に次の瞬間、ふわりとした優しい暖かい感触のものが触れた。
「!?」
「あはは、月のウサギさんが来てくれたよ」
ストローからスポッと出てきたそれは、伸びをするとこちらに深々と一礼をした。
「えっ、君本当に月から来たの?」
ウサギは答える代わりに鼻をヒクヒクッと小さく揺らすと大きく大地を蹴り瞬く間に此処から居なくなった。
「ちょっと、捕まえなくていいの?」
ぼくが焦って追いかけようとすると、少年は笑みを浮かべて首を縦に振った。
「大丈夫、ウサギは交代で地球に来てるだけなんだ。地球で仲間と情報交換して、より美味しいものを提供できるように勉強するのさ。次の満月にはまた此処に来て、月に帰省するのを楽しみに待ってるんだよ」
「えっ、そんなに力を込めると月が壊れちゃうよ!」
突然のことに仰天したぼくは、少年を制止しようとした。
そんなぼくの手に次の瞬間、ふわりとした優しい暖かい感触のものが触れた。
「!?」
「あはは、月のウサギさんが来てくれたよ」
ストローからスポッと出てきたそれは、伸びをするとこちらに深々と一礼をした。
「えっ、君本当に月から来たの?」
ウサギは答える代わりに鼻をヒクヒクッと小さく揺らすと大きく大地を蹴り瞬く間に此処から居なくなった。
「ちょっと、捕まえなくていいの?」
ぼくが焦って追いかけようとすると、少年は笑みを浮かべて首を縦に振った。
「大丈夫、ウサギは交代で地球に来てるだけなんだ。地球で仲間と情報交換して、より美味しいものを提供できるように勉強するのさ。次の満月にはまた此処に来て、月に帰省するのを楽しみに待ってるんだよ」
ファンタジー
公開:20/06/10 00:09
更新:20/06/19 07:01
更新:20/06/19 07:01
ショートショート創作ドリル
ストーリー01月を吸う
日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。
こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)
2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選
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