炎を食らう

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炎を食らう男がいた。

どこか遠くへ行きたければ、その男は炎を食べる。すると炎は体内で燃料となり、男はレーシングカーや新幹線のように超高速で走り出す。

真冬の吹雪にさらされた時も、その男は炎を食べる。すると炎は体内でたき火となり、男は寒さを苦にしなくなる。

ただ、その男とて、自らの特異体質を自在に使いこなせているわけではない。たまに炎を食べすぎて交通事故や火事を起こしてしまう。

すると、ネット上で新たな炎が燃えさかる。

炎上という炎だけは、その男ですら食い尽くすことができない。
その他
公開:20/06/08 19:18

ふみなか( 東京 )

40代半ばの会社員。家族は妻、中3息子、小6娘。つらつらと文章をつづるのが好きです。読んでいただけたら嬉しいです。

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