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夫が捨て猫を拾ってきた。先代の猫とは正反対の白猫。
子供達は猫を歓迎した。私もそろそろ前を向こうと猫を受け入れた。
家には去年まで黒猫がいた。夫より先に出会い、子供達より先にこの家に住んでいた愛猫。私の飼い猫だった。
その猫が去年、20年の生涯に幕を閉じた。
もう猫なんて飼うものか…なんて思っていたけど、やっぱり猫のいる生活は素晴らしい。猫の悲しみは猫によって癒されていく。

私達は猫を見つめる。
白猫は病気に侵されていた。毛は抜け落ち、呼吸を荒くする。
その姿を見て、また家族を失うのかと不安を隠せない。
私は祈った。先代猫に、どうか猫を助けて下さいと。
その願いは届いたようだ。翌日、猫は何事もなかったかのように元気な姿を取り戻した。
毛も徐々に新しいものに生え変わってくる。その色は何故か黒だった。
それは生え変わりなのか、生まれ変わりなのか、分からないが20年経った今でも猫は元気でいる。
公開:20/06/08 19:04

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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