ドアスコープ

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なにかと女性の一人暮らしは物騒だし、不在配達票がポストに入ってから折り返し再配達を頼むことにしている。配達員さんには悪いんだけどね。


『 ピーンポーン 』


誰だろう。荷物かな?足音を立てないように、ゆっくりゆっくり玄関まで進む。そぉっとドアスコープを覗いてみた。

ー誰もいない

さっき、インターフォンが鳴ったよね?もう1度、ドアスコープを覗いてみると、どういうことだ・・・真っ黒。さっきは外の景色が見えた。心臓が急激にバクバク、足が震えはじめ、変な汗が一気にあちこちから流れ出る。どうして真っ黒なの?向こう側からも覗いているってこと?

大きく深呼吸。意を決して覗いてみた。

ーやっぱり誰もいない

あれは何だったんだ。息が止まりそうになったじゃないのよ。


風もないのにふわりとベランダ側のレースカーテンが揺れた。そして、私の耳元で誰かが囁いた。


『 お届け物ですよ 』
ホラー
公開:20/06/08 14:04
更新:20/06/08 21:32

Yukino.

2020年6月1日より執筆活動開始(これまでオリジナル小説、二次創作等の執筆歴なし)

ストーリーが映像化して突如、脳内を流れ始めるタイプです。みなさまの応援、コメントが励みとなります。作品をお読みいただき、心より感謝申し上げます。

twitter @hikaritokage14


Yukino.

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