ヘモグロビンの憂鬱

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通勤ラッシュの電車から吐き出された。まるで生産ラインから弾かれた不良品みたいだなと思った。
ターミナル駅なのに明らかに頼りないエスカレーター。
群がり乗り切れない人々が乗口で根詰まりを起こしている。
まるで脳梗塞のようだなと思った。自分もそのヘモグロビンの一つを担っている事に嫌気がした。
まさにヘモグロビンとするなら、周りの者達はこれから社会に酸素を届けることだろう。
自分は何処に酸素を届けるでもない。そんな酸素など持ち合わせてもいない。
一つ分場所を消費しているだけの自分に嫌気がした。
自動改札を抜ける皆が各々のレースを駆け出す競走馬に見えた。
どこを目指すでもないが習ってゲートを踏み出した。
流れを止めないように邪魔にならないように。それだけを気にして生きている。
やけに空気が涼しく汗ばんだ体を冷やした。
やけに朝日が眩しく現実を白くぼかした。

怖くて変われない。嫌気がした。
その他
公開:20/06/09 00:56
更新:20/07/07 00:11

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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