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子供の頃から、詩乃は万華鏡が大好きだった。
色とりどりの鮮やかな模様が、小さな世界で絶え間なく変化する様子に、わけもなく夢中で見入った。キラキラしたその世界を眺めている間は、どんな辛いことがあってもその美しさに浸ることが出来る。いつか、万華鏡職人になりたい。詩乃の中でそんな思いが芽生えてくるのは、時間の問題だった。
「自分の将来のことだぞ? もっとちゃんと考えろ。お金を稼ぐことは、すごく大変なんだから」
地元の公務員としてコツコツ真面目に働いてきた父とは、当然衝突した。詩乃の思いが本気であればあるほど、父の口から深いため息が漏れる。
「子供じゃないんだから、いい加減大人になれ」
頭ごなしに父の考えを押し付けられ、母もそんな父に同意するように、黙って頷く。
家を出るしかない――。万華鏡職人になることは、詩乃にとって、どうしても譲れない夢だった。
迷うことなく、上京を決めた。
色とりどりの鮮やかな模様が、小さな世界で絶え間なく変化する様子に、わけもなく夢中で見入った。キラキラしたその世界を眺めている間は、どんな辛いことがあってもその美しさに浸ることが出来る。いつか、万華鏡職人になりたい。詩乃の中でそんな思いが芽生えてくるのは、時間の問題だった。
「自分の将来のことだぞ? もっとちゃんと考えろ。お金を稼ぐことは、すごく大変なんだから」
地元の公務員としてコツコツ真面目に働いてきた父とは、当然衝突した。詩乃の思いが本気であればあるほど、父の口から深いため息が漏れる。
「子供じゃないんだから、いい加減大人になれ」
頭ごなしに父の考えを押し付けられ、母もそんな父に同意するように、黙って頷く。
家を出るしかない――。万華鏡職人になることは、詩乃にとって、どうしても譲れない夢だった。
迷うことなく、上京を決めた。
青春
公開:20/06/08 23:17
更新:20/06/10 05:49
更新:20/06/10 05:49
若さゆえの選択
はじめまして(^^) くさかた よしつき と申します。
本が好き、特に小説が好きで、いつしか自分でも書いてみたい……!という思いが募るようになりました。
ほそぼそとですが、noteやTwitter、ブログもやってます♪
(Note) https://note.com/yoshitsuki_novel
(Twitter) 草方良月@書いてるときは無我夢中 (@kurrosi_ocean)
(ブログ) それでも書くのが好きだから (https://kurossi-ocean.com/)
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