自動販売機

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子どもの頃からずっと感情の起伏がほぼない。どんなときも冷静な人と言われてきたけど、そうじゃないんだ。

「あれ?前からあんなところにあったかな?」

見慣れない自動販売機があった。暑いし、ジュースでも飲みながら家に帰るとするか。・・・と思ったけれど、なんだこれ?ボタンは並んでいるが、何味なのか全然わからない。仕方がないので適当に押してみた。

ガタガタッ ガゴーン


『 うれしい 』味

え?どういうこと??もう1本買ってみよう。

『 悲しい 』味

もしかして、これを飲めば感情が俺にも湧いてくるかも!
ありったけの小銭でジュースを買いまくって飲んだ。だが、気が付いたときには病院のベッドで寝ていた。どうやら飲みすぎて倒れたらしい。見舞いに来た母親にあの自販機はまだあるかと聞いてみたら、


「あんたみたいな人たちが買いまくって、広辞苑の形容詞がなくなったからリコールになったのよ!」
その他
公開:20/06/08 23:15
更新:20/06/10 09:14

Yukino.

2020年6月1日より執筆活動開始(これまでオリジナル小説、二次創作等の執筆歴なし)

ストーリーが映像化して突如、脳内を流れ始めるタイプです。みなさまの応援、コメントが励みとなります。作品をお読みいただき、心より感謝申し上げます。

twitter @hikaritokage14


Yukino.

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