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俺に家族を殺されたという男が復讐しにやって来た。
馬鹿な奴だ。お前程度の男に俺が殺せるわけないだろう。
丁度暇していたんだ。俺は虫を弄ぶかのように、男の手足を銃で撃ち抜き、芋虫のように地を這うその姿を見て仲間達と笑った。
「ほら、それで復讐してみせろよ」
仲間の一人が男の目の前に銃を放り投げる。先程まで使っていた銃だ。中に弾が入っている事は分かっている。まあ、危険はないだろう。あの腕はもう使い物にならない。
仲間のふざけた態度に俺達はさらに笑い声を上げた。

パァンッ…!

乾いた銃声が響く。俺の胸が撃ち抜かれていた。
何故だ?倒れ行く俺は男の方を見た。
男の口から腕が出ていた。そいつが銃を手に仲間達を次々と撃ち殺していく。
「俺はな、お前達の命を喉から手が出る程望んでいたんだ」
口から腕を生やした男は器用に言った。
「奥の手は最後まで取っておくもんだ」
男は最後に俺の頭を撃ち抜いた。
ホラー
公開:20/06/07 18:52

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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