灰、左様なら!

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これまではやらなきゃいけないことがあってものらりくらり。ギリ危険ゾーンになっていよいよ焦り出す。宿題も論文も企画書もすべてそんな感じでここまで来てしまった。でも、昨夜は違った。どこからともなく聞こえてくる

「捨てろ!捨てろ!全部、捨ててやれ!」

よし、捨てるぞ。断捨離だ。ふはははは!おもしろいぐらいに力が湧いてきて、夜中にハイテンション。草木も眠る丑三つ時なんて言うけど、本当に怖いのはおばけじゃなくて人間だ。

まず、用意したレインコートを着て、手袋は滑り止めのついたやつをした。部屋を汚すと面倒だからお風呂場で切れ味抜群なあれを使って細かくした。やっぱり素人には難しいな。ぐちゃぐちゃになったけどいいや!

汗だくのままベランダの手すりに頬杖をついてゴミが確実に回収されるのを見届けた。そして、私は言った。

「あなたが私を捨てようとしたから、先に捨ててやったのよ。はい、さようなら!」
ホラー
公開:20/06/08 13:20
更新:20/06/08 13:20

Yukino.

2020年6月1日より執筆活動開始(これまでオリジナル小説、二次創作等の執筆歴なし)

ストーリーが映像化して突如、脳内を流れ始めるタイプです。みなさまの応援、コメントが励みとなります。作品をお読みいただき、心より感謝申し上げます。

twitter @hikaritokage14


Yukino.

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