かき氷

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昭和の子供にとっては、かき氷は夏限定の楽しみでもあり、夏最高のご馳走でもあった。
頭にキーンとくる冷たさとシロップの甘さは、シーズンに関係なく年中食べれる今とは違い夏そのものだ。
扇風機の風を浴びながら食べた、かき氷の味は幾つになっても忘れられない思い出となっている。
店の人が電動ではなく、大きなかき氷機のハンドルを右手でグルグルと回し、シャーシャーシャーと音を立てながら削る。がっちりと押さえつけられた氷の塊は回りながら細かく削られ、それが左手に持ったガラスの器に降り積もる。器は要領良く左右に傾けられたながら山の様になっていく。それに赤のイチゴか、黄色のレモンのシロップが掛けられると魔法の様に美味しそうに見える。
ある時いつもの様にかき氷を食べていると、キーンとなり意識が飛んだ瞬間、行ったことも無い南極でペンギン達と一緒に楽しく踊っていた。
♪ペンペン・ギンギン、ペンペン・ギンギンと!
ファンタジー
公開:20/06/08 13:11

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