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もうどれぐらいの時間が経ったのだろう。数えきれないほどの電車が、生きているのか死んでいるのかさえもわからないほど苦痛に歪んだ顔を乗り降りさせている。
大学卒業後、いわゆる社会人になった。毎日毎日が新鮮で楽しかった。結果が出ればなおさら欲が出て、同期のやつらになんか負けてなるものかとさらにのめり込んだ。恋人も捨てた。24時間365日息をするのも忘れるほどがむしゃらに働いて働いて働いた。
止まっていた時間がまた動き始めた。くたびれたスーツの襟は思いのほかピンと張りつめている。まだまだ頑張れそうだ。プラットホームの黄色い線がやけにまぶしく見えた。
―電車は急停止したが間に合わなかったようだ。
黒い靄が足元からこの身を覆うようにかかる。あぁ、そうか。僕の襟を思いっきり引っ張ったのは線路の中の・・・。
またひとりプラットホームから風に舞って消えていった。
大学卒業後、いわゆる社会人になった。毎日毎日が新鮮で楽しかった。結果が出ればなおさら欲が出て、同期のやつらになんか負けてなるものかとさらにのめり込んだ。恋人も捨てた。24時間365日息をするのも忘れるほどがむしゃらに働いて働いて働いた。
止まっていた時間がまた動き始めた。くたびれたスーツの襟は思いのほかピンと張りつめている。まだまだ頑張れそうだ。プラットホームの黄色い線がやけにまぶしく見えた。
―電車は急停止したが間に合わなかったようだ。
黒い靄が足元からこの身を覆うようにかかる。あぁ、そうか。僕の襟を思いっきり引っ張ったのは線路の中の・・・。
またひとりプラットホームから風に舞って消えていった。
ホラー
公開:20/06/08 09:20
更新:20/06/08 15:18
更新:20/06/08 15:18
2020年6月1日より執筆活動開始(これまでオリジナル小説、二次創作等の執筆歴なし)
ストーリーが映像化して突如、脳内を流れ始めるタイプです。みなさまの応援、コメントが励みとなります。作品をお読みいただき、心より感謝申し上げます。
twitter @hikaritokage14
Yukino.
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