真夜中のコンビニ

ウイーン
「いらっしゃいませ」
「おい、そこのお前、金を出せ。早くしろ。これが見えないのか」
「ええと、右。いや、右斜め下」
「はい、右目視力０．１。左目０．２ですね。次は隣のブースで体重と身長を測ってくださいね・・・ってなんでやねん。俺は強盗や。騒いだり、警察を呼んだら承知せんで」
「はっ、なんだって？」
「だから、騒がずに金を出せと言っているんだ」
「あたしゃ、耳が遠いでよ。もっとはっきり言って貰わないと分からないだよ」
「大人しく金を出せ」
「バカやろう。耳元で大声でしゃべるんじゃないよ。鼓膜が破れたらどうするつもりだい。ああ、そうかい。あんた強盗なのかい。それじゃ、受付番号カードを配るから自分の番号が来たら受付に来ておくれ。それまではそこの待合室で待ってな。はぁ～、今日はあんたで５０人目なんだよ。何が楽しくこんな深夜のコンビニに強盗に入って来るのかねぇ。みんな、暇なのかねぇ」