夢のサファリパーク

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このバケツは異空間に通じていて、摩訶不思議なサファリパークの入場口となっている。
来場者と野生動物との距離感が近いことが特長で、忠実にサバンナの気候を再現し、定期的に雨季と乾季が訪れる。
絶滅危惧種と認定されている生き物たちが多数おり、飼育員が手厚く面倒を見ている。人間にまじってゴリラが飼育員のアルバイトをしているというから驚きだ。
キリンとゾウを掛け合わせてできた首が長いゾウや、カラフルなシマウマという奇想天外な珍獣も存在する。
手のひらに載るぐらいの観覧車にミクロサイズのサルが乗っていたり、ぷにぷにした肉球を飛ばそうとするライオンなど一風変わったサーカス団も登場する。
休憩するのに置かれているベンチは温度に反応し、過酷なサバンナで来場者の体調管理に気を遣っている。
自由自在に動く売店は、上下左右にずれることができ、来場者の通行を妨げることはない。
では夢のサファリパークに行ってみよう!
ファンタジー
公開:20/06/06 20:09
異空間バケツ 距離感が近いサバンナ 絶滅飼育員 アルバイトしてるゴリラ くびがながいぞう カラフルなシマウマ 手のひら観覧車 飛べない肉球 温度のあるベンチ 左右にずれる売店

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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