眠りし王

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ここは白夜の王国。

明るく、治安もよく
王は満ち足りたようだった。

ただ一つ、
寝不足という悩みを除いて。

ある日、商人から王様に
魔法のランプが献上された。

魔人が願いを叶えてくれる、例の代物だ。

が、既に2つの願いは
誰かが使ったらしく、残るは1つのみ。

「ぐっすりと眠れますように!」

王はランプをこすり、寝室で必死に祈った。

すると、どこからともなく
黒い忍者のような男が現れ
鋭利な刃をチラつかせた。

「そのランプをよこせ」

「何者だ?おい、誰か助けてくれ!」

声を上げたが一足遅かった。
男の手に掛かり、王はその場で突っ伏した。

男はランプを持ち出すと
窓を伝い、暗闇に溶け込んだ。

「あぁ……これでぐっすり眠れるのか」

誇らしげな顔をしたまま、
王はゆっくりと瞼を閉じた。

このランプ、実はただの
「ヤカン」だったと判明するのだが、それはもう少し先のお話。
ファンタジー
公開:20/06/06 17:46

モリソン( 名古屋 )

名古屋の会社員兼執筆家です。
普段は54字の物語をメインに書いていますが

ショートショートの魅力にもハマったので
皆様を参考にこれから様々な作品にも
チャレンジしていきたいです(^o^)

よろしくお願いします!

得意ジャンル
・言葉遊び系
・会社員系
・ファンタジー系

挑戦したいジャンル
・SF系
・恋愛系
・ミステリー系

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