甘い話は続かない

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A国にとって砂糖は貴重だった。
なにしろ、海外から命がけの航海をしてはじめてもたらされるものなのだ。
海外に貴重な金銀が出ていくのを憂いた政府は南部のB藩に砂糖づくりを命令した。
借金だらけのB藩も渡りに船とばかり砂糖づくりを奨励した。

結果は予想以上で、国内産の砂糖は飛ぶように売れた。だが、政府はB藩から多額の砂糖税を徴収した。
文字通り「甘い汁」を吸ったわけだ。

怒ったのはB藩だが、政府と戦っても勝ち目はない。
表向き従うフリをして、密かに砂糖の密栽培をはじめた。もちろんばれれば取り潰しだ。
こうして「ヒミツ」に「ヒミツ」をかさねて甘くなった砂糖は爆発的に売れた。

力をつけたB藩は、政府に反乱を起こした。政府も軍を出したが
甘い汁を吸って骨抜きにされた軍隊が、この日のためにじっくりと準備をすすめてきた軍隊に勝てるわけがない。
結局政府軍はさんざん苦汁を飲まされたあげく、降伏した。
ファンタジー
公開:20/06/06 22:16
更新:20/06/06 22:18

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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