巨猫と空

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朝焼けの空をふと見上げたら、巨大な黒い猫がいた。
周囲の建物よりもずっと大きな体躯。夜の闇を切り取ってきたかのような、漆黒の体毛。香箱座り。
金色に輝く二つの目が、無言でじっとこちらを見つめている。まるで吸い込まれそうになって……

けれど、まばたきをした瞬間に猫は消え去り、普段どおりの景色になった。
気のせいか。苦笑しつつ、いつもどおりぼんやりとした二つの月が浮かぶ空に背を向けた。
ファンタジー
公開:20/06/06 22:16

PURIN

超ド級の素人です。他サイト様でも書かせていただいています。
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