一寸法師異聞
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(これぞかの桃太郎が手にしたとも言われる小槌か。なぜこの鬼がかようなものを持っていたかはわからんが、ありがたく……)
逃げ去った鬼の背中を見送りながら俺は思った。それは偶然のできごとであった。襲ってきた鬼が大声をあげた刹那、女が恐怖のあまりに俺を投げつけ、口の中に入ってしまった。その後、胃袋の中で暴れまわった結果、今に至る。
この女は傍若無人なわがまま姫で、以前からあまりいい印象は持っていなかった。だからこそ、こらしめてやろうと思い、例の口に米粒をつけて冤罪をでっちあげてやったのだ。
しかし、女だけが追放されればよかったところを、なぜか俺までとばっちりを受けてこの神社に参代する羽目になった。まあ、思いもかけず打ち出の小槌が手に入ったのでよしとしよう。これで大きくなれる。
「ふふふ、わらわが何も知らぬと思うたか」
「き、きさま何をする!」
女が小槌で一寸法師を叩きつぶした。
逃げ去った鬼の背中を見送りながら俺は思った。それは偶然のできごとであった。襲ってきた鬼が大声をあげた刹那、女が恐怖のあまりに俺を投げつけ、口の中に入ってしまった。その後、胃袋の中で暴れまわった結果、今に至る。
この女は傍若無人なわがまま姫で、以前からあまりいい印象は持っていなかった。だからこそ、こらしめてやろうと思い、例の口に米粒をつけて冤罪をでっちあげてやったのだ。
しかし、女だけが追放されればよかったところを、なぜか俺までとばっちりを受けてこの神社に参代する羽目になった。まあ、思いもかけず打ち出の小槌が手に入ったのでよしとしよう。これで大きくなれる。
「ふふふ、わらわが何も知らぬと思うたか」
「き、きさま何をする!」
女が小槌で一寸法師を叩きつぶした。
ファンタジー
公開:20/06/05 16:47
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オオカミの自信作
武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。
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