あたたかい何か
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僕は建築会社の社長をしている。大手ゼネコンから独立して数年前に起こした会社だ。
独立した理由は出来るだけ顧客の要望を直接聞いて、それを形にしてあげたいという願望。そして、もうひとつ・・・
その日やるべき仕事が一通り終わらせて、いつもの場所へ行く。黙々と作業をする。
(あと、何年かかるかな・・・何十年か。)
「何作ってるの?」
一人の少年に声を掛けられた。
「飛空艇だよ。空の上をゆっくり飛んでみたいんだ。」
「すごいね!いつ完成するの?」
「もうしばらく掛かるかな。」
少年は去り際に、上着のポケットに手を入れた後、僕の手を握った。すごく暖かかった。
「バイバイ。」
いつかの少年は今僕の横に立っている。面接試験で彼は真っすぐ僕の目を見て言ってくれた。
「この会社に夢と希望を感じました。」
あの時のポケットの中身がわかった気がした。
僕はいつか飛べるだろうか、いや飛べるはず。
独立した理由は出来るだけ顧客の要望を直接聞いて、それを形にしてあげたいという願望。そして、もうひとつ・・・
その日やるべき仕事が一通り終わらせて、いつもの場所へ行く。黙々と作業をする。
(あと、何年かかるかな・・・何十年か。)
「何作ってるの?」
一人の少年に声を掛けられた。
「飛空艇だよ。空の上をゆっくり飛んでみたいんだ。」
「すごいね!いつ完成するの?」
「もうしばらく掛かるかな。」
少年は去り際に、上着のポケットに手を入れた後、僕の手を握った。すごく暖かかった。
「バイバイ。」
いつかの少年は今僕の横に立っている。面接試験で彼は真っすぐ僕の目を見て言ってくれた。
「この会社に夢と希望を感じました。」
あの時のポケットの中身がわかった気がした。
僕はいつか飛べるだろうか、いや飛べるはず。
その他
公開:20/06/05 10:19
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