巨大な密室

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森林組合で認証を依頼すると用紙を一枚渡された。項目を記入すると窓口から番号札を渡され、左側の階段を降りて下さいと声がした。
長い階段の下方にドアの明かりがもれている。中に入るととても大きな体育館ほどの部屋。天井は高く広い床。
中央あたりに人が集まってがやがやと音がする。近づくとすごい数。三百人ほどが立食形式でテーブルを囲んでいる。さらに近づいてびっくりした。人だと思ったのは鳥だった。いろんな鳥が二本足で立ってうろうろしている。鶴は背が高い。ダチョウはもっと高い。テーブルの上に小さな鳥もいる。彼らは翼で器用にグラスを持ち三々五々に喋っている。群れに近づいたがもちろん知った顔はない。グラスを手にして周りを見る。鳥語は理解できないが、聞いているうちに何となく感づいた。贈呈式が始まるらしい。
奥のステージに照明がついた。ばさばさと拍手が起こった。
気がつくと自分の胸のあたりに羽毛が生えていた。
その他
公開:20/06/06 08:14

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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