真実の鉛筆削り
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「浮気してるでしょ」
自宅でテストの採点をしている時、妻に突然そう言われた。
私は高校教師。図星をつかれて額に汗が浮かぶ。相手は女子高生。バレれば一大事である。
「ふーん」
妻の目は笑っている。きっと鎌を掛けているのだろう。私は手に持っていた赤ペンを置き、深呼吸をした。
「してないよ」
すると妻が電動式の鉛筆削り機を取り出した。
「これ、嘘発見器なの」
「鉛筆削りにしか見えないけど?」
それにしては削り口が少し大きい。
「ここに指を入れて」
「指?」
私は妻に言われるがまま削り口に人差し指を入れた。
「真実の口みたいなものだから」
「だからしてな……」
そう言い終わる間もなく妻が電源を入れた。
ガリガリガリガリ。
「ぎゃっ!」
あまりの激痛に鉛筆削りから指を引き抜く。自身の指を見ると真っ赤に染まり、先が尖っていた。
赤ペンみたい、と妻が不敵な笑みを浮かべ呟いた。
「それで採点できるね」
自宅でテストの採点をしている時、妻に突然そう言われた。
私は高校教師。図星をつかれて額に汗が浮かぶ。相手は女子高生。バレれば一大事である。
「ふーん」
妻の目は笑っている。きっと鎌を掛けているのだろう。私は手に持っていた赤ペンを置き、深呼吸をした。
「してないよ」
すると妻が電動式の鉛筆削り機を取り出した。
「これ、嘘発見器なの」
「鉛筆削りにしか見えないけど?」
それにしては削り口が少し大きい。
「ここに指を入れて」
「指?」
私は妻に言われるがまま削り口に人差し指を入れた。
「真実の口みたいなものだから」
「だからしてな……」
そう言い終わる間もなく妻が電源を入れた。
ガリガリガリガリ。
「ぎゃっ!」
あまりの激痛に鉛筆削りから指を引き抜く。自身の指を見ると真っ赤に染まり、先が尖っていた。
赤ペンみたい、と妻が不敵な笑みを浮かべ呟いた。
「それで採点できるね」
その他
公開:20/06/05 23:23
更新:20/06/05 23:24
更新:20/06/05 23:24
まったり。
2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)
壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)
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