恋の終わりはムーンライトに照らされて

「Lovin´ darlin′ 夜の海を目隠しして連れてゆくよ 波間にゆらゆらめく 月灯りが微笑んでる」。平日ど真ん中、都会のスパで白い湯を手に掬いながら口ずさんだのはUEBOの『Moonlight Wedding』（2017）。

水面に揺れるのは月灯りではなくビル明かり。くらつく頭をもたげて湯から上がり、リクライングチェアに横たわる。ミルクローションを塗らなきゃ。誰のために？ それは君のためだった。誰にも抱かれない23の柔肌を夜風が撫でる。

私は一人の弱い女であり、逃げずにそばにいたのは、音楽と創作と、女友達だった。追えば追うほどに、男達は目を背け、逃げて行った。恋した日々を私は憎みやしない。君を嫌いはしない。君はこれからも私の大事な友人。「Lovin´ darlin′ もういいよ 目を開いて ひざまずいた僕を見て」。さようなら私を見てくれなかったあなた。月が揺れる。