ダイヤモンド

「又コールド負け？」
▽子の容赦ないセリフ。



「無茶言うなよ、部員の半分掛け持ち部員なんだぞ」
口を尖らせて抗議する。

そもそも生徒数も少なく、多人数を要する球技は掛け持ちが普通のわが校で、野球部に戦績を求めるなぞ愚の骨頂。

「そのくせむやみに対外試合組むとか」
「お前ら女子には俺ら男子のたぎるこの熱情は分からんよ！」
「たぎってるの別の所の癖に」
▽子の的確過ぎるツッコミにぐうの音も出ない。
「勝てもしないのになんでそんなにムキになって野球するかな？」
「宝石埋まってるからだよ」
「？」
怪訝な顔をする▽子に続ける。
「なんで甲子園で土掘るか考えろよ」
「？」
「あそこには純白の宝石が眠ってるんだよ！」
刹那背中を激しく叩かれた。
「ダイヤモンドだけに？ｗ」

「試合はダメダメなのに言う事だけは洒落てるじゃないｗ」
だから一言余計だというのだ。
口の中でだけ抗議しておく。