温度のあるベンチ

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冬の選手権はずっと俺の憧れだった。
全国大会の県予選決勝。相手は名門Y高校。そのユニフォームカラーから青い不死鳥と呼ばれていた。
ー試合が始まる。前半はスコアレスドローで折り返したが後半10分、味方のクロスを俺が頭で合わせて先制する。
よし!このまま終われば全国…
しかしその5分後、カウンターから失点しまう。すると相手ベンチはヒートアップ。その瞬間、ベンチが選手の熱に呼応して赤色に変わった。異様な盛り上がりの中で試合は進み、控え選手の想いが今度はベンチを青色に染め上げる。熱気は最高潮…。
Y高校は監督、コーチ、控え選手、そしてベンチすらも一丸となって闘っていた。蒼炎に燃え盛るベンチは、ピッチ上の選手にも火をつける。まるで不死鳥が炎の中に身を投じて蘇るように、選手達は息を吹き返した。

結局、試合終了間際に勝ち越しゴールを許し、逆転負け。この粘り強さこそが、青い不死鳥たる所以だったのだ。
青春
公開:20/06/05 00:29
#Schoo #みんなで脳内旅行

もち

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