飼育員の朝
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私は動物園の飼育員。
朝の巡回。檻の中からこちらに長い鼻と牙を向けるのはマンモス。鳥類のゾーンではドードーがよたよた歩き、巨大な水槽にはシーラカンス。
そう、ここはただの動物園ではない。この地球上から絶滅した生物達を、現代の技術で甦らせ飼育しているのだ。
チャイムが鳴る。朝礼の時間。
時計台の前に皆ぞろぞろ集まると、園長がいつも通り退屈な訓示を述べる。
ふと檻の中に佇むオオツノジカが目に入った。現代に甦らされ、彼は一体今どんな気持ちでこの光景を眺めているのか?そんなことを考えているうちに朝礼は終わった。
「さぁ、開園です!」
園長の声が響くと、門から続々とお客が入ってくる。私は仲間と檻の中に入り、鍵を閉めた。
檻の外から珍しげにこちらを指差すのは、園長と同じ緑色の肌をした三本足の生物達だ。
私は動物園の飼育員。
そして、この地球上から絶滅した、人類という見世物でもある。
朝の巡回。檻の中からこちらに長い鼻と牙を向けるのはマンモス。鳥類のゾーンではドードーがよたよた歩き、巨大な水槽にはシーラカンス。
そう、ここはただの動物園ではない。この地球上から絶滅した生物達を、現代の技術で甦らせ飼育しているのだ。
チャイムが鳴る。朝礼の時間。
時計台の前に皆ぞろぞろ集まると、園長がいつも通り退屈な訓示を述べる。
ふと檻の中に佇むオオツノジカが目に入った。現代に甦らされ、彼は一体今どんな気持ちでこの光景を眺めているのか?そんなことを考えているうちに朝礼は終わった。
「さぁ、開園です!」
園長の声が響くと、門から続々とお客が入ってくる。私は仲間と檻の中に入り、鍵を閉めた。
檻の外から珍しげにこちらを指差すのは、園長と同じ緑色の肌をした三本足の生物達だ。
私は動物園の飼育員。
そして、この地球上から絶滅した、人類という見世物でもある。
その他
公開:20/06/04 23:40
更新:20/06/04 23:46
更新:20/06/04 23:46
スクー
絶滅飼育員
30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。
長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。
Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00
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