8
6
佐奈には、今のマンションでどうしても苦手な場所があった。
それは、1階にあるごみ捨て場。重い金属製のドアを開けると、自動で数秒、薄明るい電球が灯る。じっとり湿ったその空間は不気味で、佐奈はいつも、慌ててごみを分別し、逃げるようにそこから立ち去っていた。
ある日の夜、佐奈がごみを捨てに行ったときのこと。
(いつも通り、すぐに出よう)
そう思ってごみ捨て場の重いドアを開け、薄い光が灯ったその瞬間――。見たくないものが目に飛び込んだ。
サササッ、と物陰に散って隠れる、数匹のゴキブリ。
ひっ、と喉から声が漏れ、佐奈はその場に硬直した。身を守るように両手を身体に引き寄せると、支えを失った重いドアが、後ろでバタンッと閉まった。
恐怖と混乱で、咄嗟に身がすくむ。次の瞬間、パッと灯りが消えた。
突然の闇。
カサカサ、カサカサ。
すぐ耳元でうごめいたそれが、ポタッと肩に落っこちた。
それは、1階にあるごみ捨て場。重い金属製のドアを開けると、自動で数秒、薄明るい電球が灯る。じっとり湿ったその空間は不気味で、佐奈はいつも、慌ててごみを分別し、逃げるようにそこから立ち去っていた。
ある日の夜、佐奈がごみを捨てに行ったときのこと。
(いつも通り、すぐに出よう)
そう思ってごみ捨て場の重いドアを開け、薄い光が灯ったその瞬間――。見たくないものが目に飛び込んだ。
サササッ、と物陰に散って隠れる、数匹のゴキブリ。
ひっ、と喉から声が漏れ、佐奈はその場に硬直した。身を守るように両手を身体に引き寄せると、支えを失った重いドアが、後ろでバタンッと閉まった。
恐怖と混乱で、咄嗟に身がすくむ。次の瞬間、パッと灯りが消えた。
突然の闇。
カサカサ、カサカサ。
すぐ耳元でうごめいたそれが、ポタッと肩に落っこちた。
ホラー
公開:20/06/04 22:31
更新:20/06/05 12:23
更新:20/06/05 12:23
※閲覧注意
はじめまして(^^) くさかた よしつき と申します。
本が好き、特に小説が好きで、いつしか自分でも書いてみたい……!という思いが募るようになりました。
ほそぼそとですが、noteやTwitter、ブログもやってます♪
(Note) https://note.com/yoshitsuki_novel
(Twitter) 草方良月@書いてるときは無我夢中 (@kurrosi_ocean)
(ブログ) それでも書くのが好きだから (https://kurossi-ocean.com/)
ログインするとコメントを投稿できます