ショートショート

目が覚めると、ママはノートパソコンとにらめっこしていた。
「助けてって言ったのに、聞こえなかった？」
「何寝ぼけてるの。顔でも洗っていらっしゃい。」
まだ重い頭をもたげて、たっくんは画面を覗き込んだ。
「ショートショート？なにこれ？」
「ママね、今短いお話を考えるのにハマってるの。その短いお話をショートショートって言うのよ。」
「へぇ。読んでもいい？」
「もう少しで完成だから。ちょっとだけ待って。」
ママはキーボードを叩き始めた。

待っている間、妙な気分だった。
「あれ…前にもこんな事あったような。」
思い出せそうで思い出せない。
ママは興奮気味にノートパソコンの画面をたっくんに向けた。
「できたよ！すごいアイデア思いついちゃった！」
もう少しで何か思い出せそうだったが、勢いに負けてたっくんは画面を見た。
タイトル『ショートショート』。たっくんは全てを思い出した。

「ママ助けて」