首が無い象

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#「くびがながいぞう」を「くびがないぞう」に空目して一生懸命考えたので、書く

あるとき、アリが象に話しかけた。
「象さん、象さん。お手数ですが、あなたの長い鼻で、あの蜂の巣をとってもらえませんか」
「いいよ」
象は思いっきり鼻をのばした。けれど、蜂の巣はとても高い所にあり、届かなかった。

象は、神様に鼻を伸ばしてもらうことにした。神様は象の首を取り外し、細長ーく伸ばして鼻に付けた。

象は再び蜂の巣めがけて鼻をのばした。
バシッ。見事命中し、蜂の巣は象の足元に落ちた。
「やった。アリくんやったよ。待たせたね」
象は足元に落ちた蜂の巣を見ようとしたが、首がないため顔を動かすことができなかった。
「アリくん、蜜はとれたかい?返事が無いなー。あ、仲間を呼びに行ってるのかな」

象はアリが喜ぶ顔を思い浮かべながら、蜂の巣の横に佇んでいた。
蜂の巣の下でアリがつぶれているのも知らずに。
その他
公開:20/06/04 20:12
くびがながいぞう スクー

いづみ( 東京 )

文章を書くのが大好きです。

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