傲慢
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僕はかつて絶滅動物園の飼育員だった。
絶滅寸前の動物を引き取り、種としての繁栄を取り戻させるのが仕事だ。
僕がその仕事に就いたのは、ひとえに正義感からだった。
弱き動物を救える以上の喜びがあるだろうか?
少なくともその時の僕はそう考えていた。
しかし、飼育員になってから1年がすぎた頃、別の感情が芽生えてきた。
絶滅する動物の多くは人間によって追い込まれている。
それを今度は勝手に救おうと檻の中に閉じ込めている。
なんて傲慢なんだろう。
まるで気分屋な天下人のようだと僕は思った。
気に入った家臣は重用し、そうでない者は一族の命まで奪ったりする。
結局僕は耐えられずに絶滅動物園を去ることになった。
それからちょうど2年がたった今日、あの時僕が担当していたあいつが死んだとの知らせがあった。
正直僕はホッとした。
それがどういう感情によるものなのかは、自分でも説明できない。
絶滅寸前の動物を引き取り、種としての繁栄を取り戻させるのが仕事だ。
僕がその仕事に就いたのは、ひとえに正義感からだった。
弱き動物を救える以上の喜びがあるだろうか?
少なくともその時の僕はそう考えていた。
しかし、飼育員になってから1年がすぎた頃、別の感情が芽生えてきた。
絶滅する動物の多くは人間によって追い込まれている。
それを今度は勝手に救おうと檻の中に閉じ込めている。
なんて傲慢なんだろう。
まるで気分屋な天下人のようだと僕は思った。
気に入った家臣は重用し、そうでない者は一族の命まで奪ったりする。
結局僕は耐えられずに絶滅動物園を去ることになった。
それからちょうど2年がたった今日、あの時僕が担当していたあいつが死んだとの知らせがあった。
正直僕はホッとした。
それがどういう感情によるものなのかは、自分でも説明できない。
公開:20/06/04 19:42
スクー
絶滅飼育員
ショートショートに魅入られて自分でも書いてみようと挑戦しています。
悪口でもちょっとした感想でも、コメントいただけると嬉しいです。
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