彼女の条件

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ナンパが趣味の友人を連れて海に来た。
今日の主役は友人じゃない。僕だ。今日の目的はナンパじゃない。釣りだ。
「いつもお前の趣味に付き合っているんだ。偶には僕の趣味にも付き合ってくれよ」
渋々ではあるが友人は頷き、つまらなそうに釣りに乗じている。ま、魚の一匹でも連れたら機嫌も直るだろう。
そう思っていたら友人の竿に大きな当たりが来た。
「手伝ってくれ!」
言われるまでもない!友人に手を貸し、慎重に巻き上げる。もう少しだ!

水飛沫を上げ、僕らの前に現れたそれは人魚だった。
釣り針をまるでオシャレな口ピアスの様にしてこちらをじっと見つめるギャル人魚。
ギャル好きの友人に目配せする。
友人は人魚に近づくと何も言わず針を回収し、人魚を海に帰した。
「あれ、人魚だったな」
「そうだな」
「ナンパしなくて良かったのか?」
「ああ、さすがにミミズ食うような女とは食の好みが違い過ぎるし、キスも出来ない」
ファンタジー
公開:20/06/04 19:27

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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