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「ラッカセイ、可愛かったね」
水族館へとやってきた私はすれ違った子供の言葉に思わず振り向いてしまった。
ラッカセイ?あんなものが可愛いわけがない。そもそもここは水族館だぞ。ラッカセイなんて置いてあるわけがない。
ああ、きっとオットセイと聞き間違えたんだな。空耳を起こしてしまうなんて私もどうかしている。
苦笑いを浮かべ、気を取り直して水槽を眺めていく。

「何だこの生き物は…」
思わず口に出てしまった。私の目の前には巨大なラッコのような生き物がいた。
「この子はラッコとオットセイの遺伝子を持つ、ラッカセイという生物です」
係員の説明もどこか上の空で聞いていた。
ラッコとオットセイの愛らしさを併せ持ち、フサフサの毛皮に覆われた巨大な体。
腹を向けて水面に浮くラッカセイはすさまじく可愛かった。

数時間後、気がつけば私はラッカセイグッズに身を包んでいた。
公開:20/06/04 18:45

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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