はるばる先に

生きる事に絶望した私は自殺を決意した。
母なる海へと帰ろう…海に向けて歩きだす。
海水の冷たさが私の肌を刺す。構わない。
塩水をたらふく飲む。気にしない。
ただただ、この命尽き果てるまで足を進める事にした。
一体どれ程そうしていただろう？
気がつけば私はハワイまで海の中を徒歩で渡っていた。
そんな私を見て多くの人が驚いていたよ。おかげで私は時の人だ。
そうか…そうだったんだ…
脇目もふらずにただ一つの事に愚直に進んでいく。それで私の人生は良かったんだ。
それにやっと気づいた私は今も生きている。もう自殺をしようなんて思っちゃいない。
でも、新しい事にチャレンジしたいとは思っている。
そんな、はるばる先に辿り着いた私は今、悩んでいる人達にこの言葉を送ろうと思う。
「人間、死ぬ気になればなんだってできるものだ」