明けと宵

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水面に陽光が滑りキラキラと輝いていたので、その輝きを丁寧に掬いとり首飾りを作った。光を取られた波のとがりたちは怒っていたけれど、すぐに陽光が降り注ぎ、彼らの輪郭がまた白く光る頃、彼らの機嫌も見事に収まった。今はもう、風の赴くままその身を光らせている。それを見送り、私は海から離れる。
夜が来て、太陽が隠れた頃に私は陽光の首飾りを海へと還す。夜闇に染まった波たちは光り輝くそれをおっかなびっくり飲み込んで、細かくして、光を散らして遊んでいる。
「あさはいいなあ」
「こんなにおしゃれができるなんて」
夜の海は言う。月の冴えた光は暗く影を落とすけれど、それもまた一興だよ。遊ばれ散り散りになった光を眺めながら、足首にまとわりつく甘えん坊な波たちを撫でた。
その他
公開:20/06/03 01:51

chaccororo

めっちゃトイレ行きたい時間と、そうでもない時間を行き来してます。

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