サロン・デ・ルフューゼ
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僕は「売れない」が付く画家。
小さな頃から絵を描くことが好き。
でも、賞とは無縁。
それでも、僕は「幸せな」が付く画家だ。
なぜなら、僕の絵を好きになってくれた人が現れたから。
その人は、今では僕の妻である。
「『サロン・デ・ルフューゼ』を開催!日曜のお昼、我が家に集合!」
家族のグループLINEに妻が投稿した。
「何これ?」
「フランスで実施された落選作品の展覧会」
「落選の?」
「私たちの子どもや孫やひ孫に観てもらおう。私、あなたと結婚する前から絵を大事にとってあるの」
妻は家中の壁に僕の絵を展示し始めた。
「ありがとう」
「いえいえ(笑)」
「あのさ、前から聞きたかったんだけど」
「何?」
「どうして僕の絵を好きになってくれたの?」
長年夫婦をやってきたが、初めて聞いてみた。
「好きな人が描いた絵だから」
僕の予想通りの答えだった。
「新作を描きたい」
「何描くの?」
「好きな人」
小さな頃から絵を描くことが好き。
でも、賞とは無縁。
それでも、僕は「幸せな」が付く画家だ。
なぜなら、僕の絵を好きになってくれた人が現れたから。
その人は、今では僕の妻である。
「『サロン・デ・ルフューゼ』を開催!日曜のお昼、我が家に集合!」
家族のグループLINEに妻が投稿した。
「何これ?」
「フランスで実施された落選作品の展覧会」
「落選の?」
「私たちの子どもや孫やひ孫に観てもらおう。私、あなたと結婚する前から絵を大事にとってあるの」
妻は家中の壁に僕の絵を展示し始めた。
「ありがとう」
「いえいえ(笑)」
「あのさ、前から聞きたかったんだけど」
「何?」
「どうして僕の絵を好きになってくれたの?」
長年夫婦をやってきたが、初めて聞いてみた。
「好きな人が描いた絵だから」
僕の予想通りの答えだった。
「新作を描きたい」
「何描くの?」
「好きな人」
公開:20/06/03 23:29
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