はるばる先に

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ノーベル賞を多数取り、あらゆる科学に精通した僕は今日も研究に没頭する。
多くの人が僕を天才と呼んだ。それを鼻で笑ってやった。多くの人が僕の夢を鼻で笑ったからだ。
僕の夢。それはどこでもドアを作る事だ。
はるばる先に一瞬で行ける魔法の道具。フィクションの産物と思われていたあの道具を僕は作り出そうとしている。
そんなの無理だ、と人は言う。
馬鹿な事はやめろ、と人は笑う。
何の実績もなかった頃の僕を皆が馬鹿にした。賞を取る度に皆が僕を褒め称えた。
賞なんて、どこでもドアを作る為の過程に過ぎない。
それなのに賞を取る事こそがゴールのように多くの人が喜ぶ。
だから僕は言ってやった。
「千里の道も一歩から。はるばる先に向けて僕は歩いている」
どこでもドアが空想の産物?そんなの、作ろうとしなければわからない。
無理だと足を止めている限りは絶対に完成しない。
だから僕は歩くんだ。はるばる先の世界に向けて。
SF
公開:20/06/03 18:52

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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