真夜中のコンビニ

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夜中に散歩をしていると、カサカサと物音がするのに気が付いた。目を向けると、缶ビールの写真が電柱の陰に飛び込んだ。またカサッと音がしてそちらを見ると、今度は駄菓子の写真が草むらに消えた。何だ?
追っていくと、またその先でカップ麺や週刊誌の写真が一瞬だけ現れては、消える。まるで夜の欠片みたいな漆黒の気配が、サブリミナル広告のように俺を誘う。たどり着いたのは、一軒のコンビニだった。
「これって噂の…」
なんでも変わった爺さんが夜中にだけやっているという、幻のコンビニ。
「イラッシャイマセー」
「う、うわああ!」
中に入ると、俺よりもデカい!真っ黒なゴキブリが!立って!そしてしゃべった!爺さんって、そっちのGさんか!
「大丈夫デスカ?」
「ひっ」
巨大ゴキブリが近づいてくる!俺は目の前が真っ暗になって、遠のく意識の中で悟った。さっきのはサブリミナル広告じゃなくて、ゴキブリミナル広告だったんだ、と。
ホラー
公開:20/06/02 10:47
月の音色 月の文学館 真夜中のコンビニ

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