Forward upward circling

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「一朗だ」
日曜。公園前で逆上がりの練習をする一朗を見た。
「知り合いの子なんだ……」
「ふふ。逆上がりを手伝ってあげたいんでしょ?いいよ。映画はまたで。私も手伝ってあげたい」
ということで、一朗に声を掛けた。
「え!いいんですか?」
「うん!頑張ろう!」

だが1時間頑張っても逆上がりは出来ず、一朗が手を痛そうにしたため、「もうやめよう」と僕が止めた。

公園のベンチで缶ジュースを飲みながら話を聞くと、
「そっか。失敗を笑われるのが怖いか」
「うん……」
一朗は下を向いた。
「一朗くん、失敗して笑われるのが怖かったら、他の人がやってる時に自分から声出して応援してごらん」
「え?」
「きっと一朗くんのことも応援してくれるよ」
「は、はい」

翌日。仕事帰りに公園前を通ると、逆上がりの練習をする一朗を見た。
「あ!もう少し!」
「だな。まぁ大丈夫さ」
そばに友達らしき子が3人もいたから。
その他
公開:20/06/02 21:05

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