甘い男
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男は甘かった。どんなことに対しても怒らず、周囲に対して優しさを振りまく。それは決して気紛れによる行動ではなく、確固たる意志に基づいた物だった。そんな男を見て、嫌いになる者がいるわけもなく。彼の周りにはいつも多くの人で溢れかえっていた。頼られれば断らない、彼の甘さにも拍車がかかる。
結果、男の体に変化が生じた。
「……あなた、またベトベトしてるわよ」
「ああ、本当だ」
妻の指摘に男は笑顔で答え、タオルで顔を拭き取ろうとする。しかし、水滴全ての粘性が強く、タオルがすぐにべたべたしてくる。まるで顔に、水飴でも塗ったような状態だ。
事実、男の体からは、甘い甘い汗が流れ出てくるようになっていた。それは男の甘い考えに呼応するように、少しずつ糖度が高まり、粘り気もつくようになっていた。夏場なんかは虫によってたかられてしまい、妻がヒステリックになることも。
ーー甘すぎるのも、考えものである。
結果、男の体に変化が生じた。
「……あなた、またベトベトしてるわよ」
「ああ、本当だ」
妻の指摘に男は笑顔で答え、タオルで顔を拭き取ろうとする。しかし、水滴全ての粘性が強く、タオルがすぐにべたべたしてくる。まるで顔に、水飴でも塗ったような状態だ。
事実、男の体からは、甘い甘い汗が流れ出てくるようになっていた。それは男の甘い考えに呼応するように、少しずつ糖度が高まり、粘り気もつくようになっていた。夏場なんかは虫によってたかられてしまい、妻がヒステリックになることも。
ーー甘すぎるのも、考えものである。
ファンタジー
公開:20/06/01 11:02
物語創作に興味があります。
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