隣人が、ゾンビなのにかわいすぎる。1

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独り暮らしには、サプライズなんてものはない。飯をつくって、ウンコして、寝て起きたらコーヒーをのんで飯をつくって、彼女からの電話を待ってかかってはこなくて、本を読みはじめてみたもののスマホが気になり、とりあえず声を出してみて生きているようだと思い出して、ウンコして、飯をつくって、酒を飲んで寝る。

ただの繰り返しだ。反復横跳びを未来に向かって繰り返すのだ。ふたつ引かれた線がちょっとずつ前に向かってずれていき、どうやら日々は過ぎていくらしい。

隣人が気になったことなど、これまで一度もない。引っ越しは何回かしたけれど、挨拶なんてしたことはない。僕に興味がある人はいないだろうし、興味のない僕の買ったサブレなんて誰も食べたくはないだろうし、こっちだってインターホンがバイ菌まみれに見えて押す勇気もない。

僕は409号室。角部屋の上級国民である。
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公開:20/05/31 21:24
更新:20/09/22 15:20

きろひの、えう

ぼそぼそと創作話を書いています。

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