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久しぶりに会った友人は真っ白な肌に美しい黒髪の女性に変わっていた。
昔は共に日サロで肌を焼き、無茶なカラーリングで髪を痛めていたのに何故、私と彼女でこうも違う?
『真由、月焼けしていないの?』
「月焼け?」
『月光浴の事だよ。月の光で体を焼くと、肌は真っ白に、髪は艶のある黒になっていくんだ』
「凄いじゃない!なんでそれ話題になっていないの?」
『月焼けは危険だって言われているから公には出来ないんだよ』
「危険?体に悪影響でもあるの?」
『夜、女性が外で肌を晒すと危険でしょ』
「そういう意味か」

その夜から私は月光浴を始めた。最初は半信半疑だったものの、一月経つ頃には私も色白黒髪へと変化していた。
だから月光浴は私の日課となった。
ある日、いつものように肌を焼こうと外に出ると見知らぬ集団が私を取り囲み質問を投げかけた。
「”月への移住”と”赤子に戻って竹の中に幽閉”。どちらがいいですか?」
ファンタジー
公開:20/05/30 19:10

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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