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「今日は珍しく混んでるなぁ」タオルを肩に掛け、浴場を見渡しボヤく客。
人間たちに混じり、何体かのロボットが湯船に浸かっている。完全防水をまとったロボットは、マシンの疲労を癒やすため、こうして銭湯を訪れるようになった。
シミュレーションされたロボットの表情が、心地良い湯の温度に思わず緩む。
「お! またはじまったぞ!」客のひとりが茶化すように叫んだ。
技術的にまだまだ熱には弱いロボット。感情を司るパーツが熱で故障しがちなのがサウナだ。ロボットのサウナ利用を禁じている銭湯もある。
どうやらロボット同士がケンカを始めたらしい。
それを見かねたのは、50年近くこの銭湯に通うおっちゃん。勢い良くサウナのドアを開けると、二体のロボットの首根っこを掴んで出てきた。
「頭を冷やせ!」
そう言うと、おっちゃんはロボットの頭――すなわち、感情を司るパーツの部分を水風呂にドブンと浸けた。
人間たちに混じり、何体かのロボットが湯船に浸かっている。完全防水をまとったロボットは、マシンの疲労を癒やすため、こうして銭湯を訪れるようになった。
シミュレーションされたロボットの表情が、心地良い湯の温度に思わず緩む。
「お! またはじまったぞ!」客のひとりが茶化すように叫んだ。
技術的にまだまだ熱には弱いロボット。感情を司るパーツが熱で故障しがちなのがサウナだ。ロボットのサウナ利用を禁じている銭湯もある。
どうやらロボット同士がケンカを始めたらしい。
それを見かねたのは、50年近くこの銭湯に通うおっちゃん。勢い良くサウナのドアを開けると、二体のロボットの首根っこを掴んで出てきた。
「頭を冷やせ!」
そう言うと、おっちゃんはロボットの頭――すなわち、感情を司るパーツの部分を水風呂にドブンと浸けた。
SF
公開:20/05/31 14:21
更新:20/05/31 20:30
更新:20/05/31 20:30
SF
ロボット
銭湯
未来
《3分後にはもう、別世界。》
ショートショートを執筆する、超短編小説家。
ショートショートの魅力である驚き・衝撃・裏切り・どんでん返しの展開を楽しんでいただければ幸いです。
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