冷汁（ジュー）機

私は30歳になった。いい大人になったから、子供たちの為に何かしたい。
そういえば、暑い教室で喉が渇いた。休み時間まで30分もある…と我慢した。もうすぐ夏休みという事を心の支えに頑張った。自分の机に冷たいジュースが出る装置があったらいいのに…と思った。
名前は冷水機ならぬ、冷汁（ジュー）機。いけるかも知れない。これを今の子供たちに叶えてあげよう。
机のボタンを押したら、冷たいジュースが出ないといけないから、みかんを潰して果汁を絞りだす作業を大勢でやらないとダメだな。また、果汁を冷やしておく装着が必要だ。机にジュースを流してくる管もいる。教室中、管だらけになってしまうかな…。大変すぎる。割に合わない。諦めた。
同じクラスだったあいつは、どう思うだろう？　勢いのあるベンチャー企業の社長として、よくメディアに登場するあいつは、この状況で、誰もやりたがらないからチャンスだ！とでも思うのだろうか。