お幸せに。

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決して、さくらんぼタルトの誘惑に負けた結果じゃない。
ひと休みのための喫茶店。
窓の外、爽やかな青い空に映えるチャペル。結婚式が行われているらしい。
ふと、視線が捕えた違和感。
黒い絽の着物の御婦人が薔薇のアーチから覗いている。
吉祥紋に銀の帯から、お祝いの為に来たのだろうと推測。
鐘の音が鳴り、幸せそうな顔が出てくる。
同時に御婦人が後ずさった。隠れているようだ。
と、突然の雨。
せっかくのドレスが濡れちゃうぞと心配した。
束になって、隣のレストランへ走っている。「きゃー」とは言いつつ、みな笑顔だ。
雨の中で全員が笑顔というのは、レアじゃないか。
ひとり佇む御婦人も、ものすごく嬉しそうだ。
耳がピクピク、尻尾がブンブン揺れている。
耳? 尻尾!?
「雨だよ、マスター」
「明るいのに、狐の嫁入りですかね」
そんな会話を耳にした。
アイスティーの氷の音に心戻された時には、御婦人は消えていた。
ファンタジー
公開:20/05/30 01:20

ibara_hime

文章を削る練習をしています。
妄想は得意。感想は苦手。   ・・・・・・です。

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