すぐれたものが、埋もれてしまうはずがない。

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小学3年の息子サトシ。
今日は参観日で、国語の授業。
「今日は、他己紹介をします。隣のお友達を紹介して下さい」
私たち親は、誰々がどこの塾に通い始めただの、誰々が何の習い事をしているだの、そんな情報ばかりに敏感。
だから他己紹介が新鮮。
次はサトシが紹介される番。
「サトシくんは、体育の授業で足をケガした私をおぶって、保健室に連れていってくれました。意外と優しいんだなと思って、嬉しかったです」
「へぇ、サトシが」
親の私でも意外と思ってしまった。
全員の他己紹介が終わり、いろんな子がいるんだなと思った。当たり前だけど。
「では最後に、あの詩を一緒に音読します」
子どもたちは起立し、「回れ右!」の号令で、私たち親の方を向いた。
「『わたしと小鳥とすずと』。金子みすゞ」
「あっ」
どの親も懐かしいと思ったはず。
そしてきっと、詩のラストを子どもたちが読む前から、心は締めつけられていたのでは?
その他
公開:20/05/29 23:47

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