キノコ傘

文明がいくら発展しても
傘だけは傘のままだと
耳を澄ませばどこかから
聞こえてくる。

菌類研究家の私は
その声に答えて
キノコ傘なるものを
生産した。

これは品種改良した
特別なキノコの胞子を
頭にふりかける。

すると10秒も経たない内に
傘くらいの大きさの
キノコが１つ生えてくる。

これで手を使わずに
傘のようなもの、
すなわちキノコ傘が
使えるのである。

更にこのキノコは
人間の体と繋がっていて
雨を体に吸収するので
水を飲む必要もなくなる。

家に帰ったらどうするかって？
ご安心を。

キノコと頭の接着部分に
ハサミを入れて後は
フライパンで焼くだけ。

今日の夕食は
焼き巨大キノコ。

しいたけしいたけ。
間違えた。
めでたしめでたし。