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今回もやっぱりダメだったか。
深いため息とともに3回目のリセットボタンを押した。

軽自動車1台分の値段がするAI彼女。
オーダーメードだけあって、ときどき喧嘩もするけど2人の相性は、ばっちりだ。
AI彼女が出来てからは飲み会もすべて断わり、仕事が終わるとまっすぐ帰ってパソコンの電源を押すたのしい毎日。
恋愛ゲームとの一番の違いは、AI彼女は、自分が人間だと思っているところ。
設定しだいで一緒に部屋で話したり、映画を見たり、食事だって同じものを食べたりすることができる。

でも、付き合って3カ月くらい過ぎると、なんだか彼女の雰囲気が少し変わってくる。
そしてお決まりのセリフで別れを告げ、僕のものを去って行ってしまう。

「ねぇ、好きだ、好きだって言ってくせに、どうして手も握らないの?」

いま僕は、高級車2台分の値段のするオプション機能を付けるか、真剣に悩んでいる。
SF
公開:20/05/30 16:59
更新:20/05/31 00:12

あおぞら

はじめまして あおぞらです。
読んでいただけたら、この上なく幸せです。
どうぞよろしく!!(^_-)-☆

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