霊の通り道に住む

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マンションを買った。引っ越しが済んで、初めての夕食作り。キッチンに入って冷蔵庫の扉を開けた時、
「ドン‼」
誰かとぶつかった。
「あっ!ごめん」すぐに振り返ったんだけど、
「…」誰もいない。
いない。でも確かに右の肩甲骨に、誰かとぶつかった痛みが残っている。
ある時は、寝室のドアを「コン、コン、コン」と、叩くので開けたが、また誰もいない。いや見えない。
またある時は、小さな足で踏まれたり、肩を揺さぶられたりしたけど、不思議に怖くなかった。先日も、一人で夕食の片付けしてた時、途中でどうしても眠くなって、仮眠したら、「全くもう!この子はガヤガヤ…おちびちゃん、起きなさい‼」と、オバさんの声。ガバッと起きた私の目に入って来たのは、片付け途中のキッチンと部屋、時計を見たらAM2:00。私は、片付けられる物だけ音を立てないようにして、やり過ごした。
夫は、雷おやじだから霊より怖い。
ホラー
公開:20/05/30 08:47

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