生きる

14
22

生き物は、皆何らかの犠牲の基に成り立っている。
人は牛、豚、鶏等の肉を食し、海からは魚、蛸、貝、鯨と種々捕獲する。
また弱肉強食のジャングルでは、動物は日々戦い、己のため、子孫のため、一時も気を許さず懸命に生きている。
草食動物といえども、生き物である植物から命を繋ぐ日々だ。
そして空気、水、太陽に支えられ、万物は皆生きている。

一方、菩薩のように優しげな人は虫も殺さず、仙人は霞を食って生きていると言われる。
山奥に暮らす仙人は、本当にモヤのように漂う霞を摂取するだけで生命の維持ができるのか。
高名な博士は研究を重ね、遂に霞を固形化食品にするのに成功したと発表し、一時は食糧問題も一挙解決出来たと思われた。
しかし霞の根源は水蒸気なので、どんなに加工しようが、究極は水を飲んでいる訳で、生命の長期維持は無理であった。

仙人は霞を吸収し生命エネルギーに変換する霊力を、備えている事がわかった。
公開:20/05/28 11:26
更新:20/05/28 12:49

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容