光の道標
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君の形見のペンダントを胸に抱く。次第に吹雪き始める暗闇の中で、自分を保つためにはそれしか出来なかった。体の感覚は曖昧で、痛い寒いもおぼろになっている。
一体何が足りなかったのだろうか。いくら考えても、答えは出てこない。その思考すら、鈍化していくのを感じていた。
ーーもう、いい、寝てしまおう。
言葉がよぎり、瞼を閉じた。脳裏にあった君の優しい笑顔も、次第にぼやけていく。
体が光に包まれたのは、その時だった。眩しさが意識を引き戻し、暖かさが凍える体を溶かしていった。ゆっくり目を開けて、息を呑む。手の中にあるペンダントが光っていた。周囲数メートルを照らす円を作りだし、その内側には風も雪も入ってこない。まるで自分のことを守ってくれているようで。その事実に気づいた時、微笑む君の姿が鮮明に思い返された。
翌日、男は捜索隊によって発見された。その際、隊員の一人が語った。
私達は、光に導かれたのだと。
一体何が足りなかったのだろうか。いくら考えても、答えは出てこない。その思考すら、鈍化していくのを感じていた。
ーーもう、いい、寝てしまおう。
言葉がよぎり、瞼を閉じた。脳裏にあった君の優しい笑顔も、次第にぼやけていく。
体が光に包まれたのは、その時だった。眩しさが意識を引き戻し、暖かさが凍える体を溶かしていった。ゆっくり目を開けて、息を呑む。手の中にあるペンダントが光っていた。周囲数メートルを照らす円を作りだし、その内側には風も雪も入ってこない。まるで自分のことを守ってくれているようで。その事実に気づいた時、微笑む君の姿が鮮明に思い返された。
翌日、男は捜索隊によって発見された。その際、隊員の一人が語った。
私達は、光に導かれたのだと。
ファンタジー
公開:20/05/29 07:46
物語創作に興味があります。
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